強迫症および関連症群
強迫症(強迫性障害)は、これまで不安障害のグループに含まれていました。
しかし、最新の精神疾患の分類であるDSM-5では、新たに「強迫症および関連症群」というグループが設けられ、その中の一疾患として属するようになりました。
これまでの精神医学の研究や調査などにより、このグループを独立して設けた方がいいだろうとの結果からです。
何かへの没頭や習慣は、その文化で標準的と考えられる程度というのがあると思います。
しかしこのグループに属する疾患では、その過剰さや適切な範囲が標準を超えてしまっているといえます。
どんな疾患がある?
このグループには以下のような疾患が含まれます。
・強迫症(強迫性障害)
・醜形恐怖症
・ためこみ症
・抜毛症
・皮膚むしり症 など
強迫症(強迫性障害)は、「わかっちゃいるけどやめられない」考えや行為で苦しんでしまう疾患をいいます。
「もう確認したとわかっているけど、戸締りしたか心配」などと考え、何度も戸締りを確認してしまうなどの症状がみられます。
醜形恐怖症では、他人にはわからないような外見上の欠点へ強くとらわれたり、自分の容姿について過剰に心配したりすることから、何度も鏡を確認したり、容姿を他者と比較する行為を繰り返すなどするものです。
ためこみ症は、ものを貯めておきたいと強くのぞみ、それを捨てることが非常に苦痛であるため、価値の有る無しに関わらずものを捨てられなくなるものです。
抜毛症は、くりかえし毛を抜き、それをなんとかやめようと試みるものです。
また皮膚むしり症は、皮膚をむしってしまうものの、それをなんとかやめようと試みます。
これらの行為の前に不安が先行することがあったり、逆に行為をした時に満足感や安心感を感じることもあります。
それぞれについて、別立てで説明していきたいと思います。