全般不安症(全般性不安障害)
多数の出来事や活動について、過剰に不安や心配(憂慮して予期すること:予期憂慮)を感じる疾患だといえます。
どんな症状がみられる?
多数の出来事、活動への不安や予期憂慮がみられます。たとえば、仕事のでき具合、健康、家計、家族の健康状態、子供たちへの災難、些細な出来事といった、日常生活では普通にある状況を毎日のように心配してしまいます。
心配事の焦点がひとつではなく、経過とともに次の心配事へうつっていくこともあります。この不安と心配の強さは、通常心配ごとが起こる可能性や影響を考慮しても、不釣り合いなほどに大きいものです。
ちょっと心配、というくらいではないということですね。そして、自身ではその心配をコントロールすることが難しいと感じています。
加えて、身体にも以下のような症状が現れるようになります。
また、発汗、嘔気や下痢などの身体症状や、過度に驚愕する反応が起こる方も多いとされます。
・落ち着きのなさ、緊張感、神経の高ぶり
・疲れやすい
・集中するのが難しい、心が空白になる
・怒りっぽくなる
・筋肉が緊張する
・睡眠障害
これらの不安や予期憂慮、身体症状が慢性的に続きます。そのために、非常に大きな苦痛を感じていたり、日常や職業上の支障が出てきてしまいます。
何か行動するべきことができていなかったり、回避していたり、過剰に時間と気力をつぎ込んでいたりするような状況に追い込まれることもあります。
頻度や特徴
世界のいろんな地域で、0.4〜3.6%の方がこの疾患を有していると言われます。
女性の方が男性の2倍、経験しやすいようです。中年期頃が有病率のピークであり、加齢ととも徐々に有病率は減少していきます。
30歳頃に発症する方が多いのですが、発症年齢は非常に広範囲にわたっているようです。
他の不安症(不安障害)よりも、発症年齢は高いと言われます。
心配する内容は年齢により違うことがあり、子どもと青年では学校のことやスポーツの出来を心配する傾向があります。
また時間を厳守することに過度に注意がいったり、地震や核戦争などの破滅的な出来事を心配していることもあります。
年長の成人では家族の心配や自身の健康問題に関する心配がより強調されます。
転倒するのではないかという心配のため、活動範囲が制限されてしまうこともあります。これらの心配は、他人にどう評価されるか?
ということは特に関係なく、ただ自分が心配で仕方がないという状態です。
治療
SSRIやSNRIなどの抗うつ薬が使われます。これらの効果が出てくるには少し時間がかかるため、抗不安薬を併用することもあります。
さらに、認知行動療法や心理教育、リラクゼーションなどの精神療法も併せて行なっていきます。