うつ病
気分の落ち込みや、好きなことや仕事などにやる気が出ないといった症状が何週間もずっと続く病気です。
誰しも、つらいことや嫌なことがあった時に気分は落ち込みます。「正常な」落ち込みは、数日経てば回復して元の状態に戻っていきます。しかしうつ病の場合には、なかなか元に戻らず、一般的には2週間以上続いてしまいます。
そしてこころとからだの両方に様々な症状があらわれてきます。からだの症状がかなり目立つ方も多いです。そして、これら症状のために、日常の生活や仕事の面で大きな支障が出てきてしまいます。
こころの症状
抑うつ気分(気分の落ち込み)意欲の低下(やる気が出ない、楽しかったはずのことが楽しめない)
思考力の低下(集中力が落ちた、決断や判断ができない、自分を責める、悪い方に考える)
不安や焦燥感(いつも不安がつきまとう、そわそわ落ち着かない) など
からだの症状
睡眠障害(眠れない、寝すぎてしまう)食欲の異常(食欲がない、美味しいと感じられない、過食)
疲労感(からだが重い、だるい、疲れがとれない)
性機能の問題(月経不順、性欲が落ちた、勃起不全)
その他(あちこちが痛い、便秘、動悸) など
うつ病のきっかけはさまざまです。
仕事、健康、家族、経済面、結婚、環境の変化など、本当に様々なことが引き金になります。大切な方を亡くされた場合にも起こることがあります。注意が必要なのは、側から見るとむしろ好ましい・望ましい出来事でも、患者さんご本人にはうつ病のきっかけになる可能性があるということです。たとえば、昇進、お子さんの結婚などです。
うつ病の治療では、十分に休養をとることが大切です。また質の良い睡眠を確保していきます。
またおくすりを使って症状の改善を図ったり、心理的な治療を用いたりします。風邪のように1週間程度で回復するということはなく、徐々に回復していきますので、焦らずに治療を続けていきましょう。今ある症状を回復させることも重要ですが、同時に再発させないことも大切です。このため、服薬などは主治医とよく相談して、自分の判断で急にやめないように気をつけてください。